Tricksters2ッ



「鍵よこせ!」


「ほらよ、鍵!」


 高く放り投げた鍵をゼンが空中でキャッチした。

 素早く運転席に乗り込もうとするゼン。だけど、車の施錠は解除してある。俺も後部座席に乗り込む。



「……俺、超機嫌悪いぞ」

「いいんだよ。俺はトリックスターズで働くって決めた日から、おまえを信じることにしたんだよ」


 オートマチックの普通のワンボックスカー。ゼンとは超ミスマッチだ。

 シフトはドライブ。勢いよくアクセルが踏み込まれた。


「淳一のこと騙すかもよ」


「それでも、俺はおまえを信じる。だから、一人で抱え込むな……」