パーキングの外を歩いてたサラリーマン風の男と女が、俺たちを見ながらヒソヒソと話ながら通過していった。


 ゼンは警官の制服を着たままだ。何事だろう? と目についたんだろう。あまり長居はできないな。



 これじゃ、見つかるのも時間の問題だ。



「淳一、鍵を貸してくれ。だいたい、今俺が何をしてきたか分かるだろう? 
 いくら犯罪者として拘置されてたわけじゃないからと言って、警察署から脱獄したんだぞ? また、すぐに会える。今夜は一人になりたいんだよ!」



「わかってる。だから、俺も一緒に行くって言ってんだよ!」


 ゼンは呆れたようにため息をついた。



「ちょー迷惑!」


「迷惑でもいい。これから何しようとしてるか教えろよ!」