「善太郎さまぁ!」


 警官は顔を真っ青にさせた。



「おやめください! ここは警察署内部ですよ! 大変な事になります!」


 まだ若い警官だ。

 なんだか頼りないな! 仲間を呼べ!
 仲間を!


「おい、騒ぐなよ! 目の前でコイツの動脈から血が吹き出す瞬間見たくないだろ……」

 低く唸るようなゼンの声。コイツ本気だ……


「ここの鍵を寄越せ。騒いだ瞬間、俺はコイツを殺すぞ」


 マジで?

 コイツって、俺のこと?


「ゼン……やめ……」


「黙ってろ」


「うっ……」



 俺の苦しい声を聞いて若い警官は頭を抱えた。


 頭抱えてないで、なんとかしろ!