「ゼン?」

「おかえり、淳一。悪く思うなよ……」

「ええっ?」


 着替えを済ませたゼン。何故か警察官の制服姿で、懐から折り畳みナイフを取り出す。

 格子からゼンの腕が伸びてきて、羽交い締めにされた、首もとには光るナイフ。




 こ……殺される?




「うわーっ!!」


 なんだよ! 
 なんなんだよ!



 俺の叫び声で一人の警官が走ってきた。

 なんで、一人なんだよ!
 うじゃうじゃ連れて来いよ!


「ちょうど、八時はシフト入れ替えの時間で手薄なんだよ……」


 ゼンが俺の疑問に小声で答えた。更に、首にナイフが深く突き立てられる。


 マジ、やめて……

 切れる! 切れちゃう!