────ひとまず、オフクロに李花を預けた。李花が泣き顔だったからか、『なに泣かせてんのよ! 馬鹿息子!』とハンガーで強烈な攻撃をくらった。
わき腹がいてぇ……
李花には、ゼンの荷物を運ばなきゃならないって、ちゃんと説明した。車を渋谷区警察署に向けて走らせる。
実家から渋谷区は目と鼻の先だ。
昼寝して起きないばあちゃんは、藍莉が面倒みといてくれると言ってくれた。だから、そのまま置いてきた。
李花のことは改めて説得に行けばいい。
もし、ばあちゃんが反対しても俺は李花と結婚するけどな。
ただ、ちょっと心配だよな。
藍莉。アイツ逞しいからな……なんか勘違いしてるし。
ゴッシゴシがセレブ御用達なんて有り得ないだろ。
ゴッシゴシていう名前のクリーニング店はよく見るけど、クリーニング店ていったらゴッシゴシて名前つけるしかなんだろ?
そんなの普通だよな、俺は生まれてこの方、ゴッシゴシていうクリーニング店しか見たことないからな。