Tricksters2ッ



 俺は李花の手をしっかり握り締めて藍莉を振り払った。


「淳一、そこに座りな」


「ああ、李花も座ろう」


 李花は、黙って頷く。
 並んでこたつに入ると、藍莉も俺の隣に座った。


「あっち行け」と小声で言う。
 藍莉は「結婚とか許さない」と俺にぴたりと寄りそった。



「よう意味がわからん。最初から説明し」


「俺も訳わかんねーよ! 何で、藍莉がここにいる?」


 すると藍莉が手をあげた。



「私、わかったかも!」


「おまえが一番謎なんだよ! 俺は、ばあちゃんに結婚報告するんだ! 帰れ!」


「だから、わかったもん! 淳一勘違いしてると思うけど、実は、私徳田善太郎の婚約者じゃないのよ」


「へっ?」



「善太郎が『そういうことにしとけ』って言ったから、そういうことにしといたの」