藍莉は、こたつから飛び出すと俺に抱きついてきた。 「な、なななな?」 「淳一! この前は何で逃げたのよ! もう馬鹿バカー!」 藍莉は体をくねらせて、その唇が眼前に迫り慌てて右手でガードした。 李花の前だろ! ヤメろっての! 「遠慮しないでいいのにー!」 「遠慮じゃねーよ! 拒否だ! 拒否!」 「淳一の、意地悪!」 「じゅんちゃん、誰この子?」 隣にいた李花の大きな目に涙が溜まる。