「李花ー?」
「じゅんちゃん、二階だよー」
一階の店舗にはオヤジだけ残して、オフクロと李花は二階に上がったらしい。
二階が住まいになっている。
「淳一、これお父さんに持っていきな」
「はいはい」
オヤジの分に切り分けられた苺タルトと緑茶。
「緑茶じゃなくて、コーヒーとかのほうがいーじゃねーの?」
「お父さんは、これでいいの」
「はいはい……」
「あ、ママさん! 李花が持って行きます!」
「まあ、ありがとう。李花ちゃん」
「李花、あんまり気使わなくていいぞ」
李花は首を振る。
「ううん、大丈夫だよ。それにじゅんちゃんは李花のパパに必死で頭下げてくれた」



