一日中自転車を漕いで、ただひたすら走って、腹が減って、暗くなって、自分がどこにいるかもわからなくなって途方に暮れてたらパチンコ帰りのばーちゃんにたまたま発見されて家に帰ってこれたんだ。 戻ってきた俺にオフクロは、『くそくらうのはあんただよ!』と強烈な拳骨くらわされて、オヤジはただ黙って俺を睨み付けてた。 それ以来、この自転車はここに放置されっぱなし。 ここが俺の家だっていう標識みたいで苛々する。