Tricksters2ッ


「李花、続きしよっか?」


「え! ほんとに?」


 李花はまたボッと顔を赤くした。ちくしょーっ、すげぇ素直だな!


 親がいなきゃ今すぐ押し倒すのに、やっぱここは我慢……
 
 いや、ちょっとなら……


 いやいや、我慢だ。




「続きって言っても、話の続きだ」


 俺はベッドから降りると李花の前で立て膝をついた。

 スーツの内ポケットから、用意してきた箱を取り出す。


「じゅんちゃん……、その箱!?」


「李花、これ受け取ってくれ」


 李花が指先で箱を開く。柔らかいオルゴールの音色。

 箱の中身は空っぽだ。


 李花は黙って箱を見つめる。



 5.5秒後にバネの仕掛けがはずれて、中から小箱が飛び出した。



 李花はふわりと微笑むと、エメラルドグリーンに白いリボンの小箱を手にとる。