Tricksters2ッ


 元気ないよな。ユカリさん。


 ま、しょうがないか。だけど、アイツは本当にユカリさんをとことん振り回すよな。


「淳一くん」

「はい」


「善太郎がいないトリックスターズはつまらないわ」


「ユカリさんまで、そんなこと言わないでくださいよ! ミエちゃんもアイツが来ないから有給とって帰っちゃいましたよ」



「善太郎は『ヤミ金業者』の正体に気がついたのかもしれないわ……だとすると、相手は善太郎がいない隙に爆弾を仕掛けるかも」


「そ……それもそうですね……でも、奴等がそれを知ってるとしたら。逮捕した警察関係者か、内閣府の人間か、このトリックスターズに内通者がいるってことじゃないですか?」


「そういう事よ。善太郎は犯人がわかってる……淳一くん。私、誰を信じればいいかわからない」


「アイツだけを信じればいいですよ……」


 ユカリさんは黙ったまま、窓の外を眺めた。