佐藤ちゃんは涙声で話す。

「総理は、『これ以上、善太郎に好き勝手にさせるわけにはいかない』とおっしゃいました。

 私は清水の舞台から飛び降りる覚悟で『善太郎様は事態の収拾に必死です』と訴えました。


そしたら『猶予をやる』と総理が……」



「なるほど、で、今夜が我慢の限界だったわけか。

 ゼンは、ヤミ金業者の正体がわかってないってことか?」


「それはわかりません……数名の人物を、今日の夕方まで私たち三人でマークしてきました」


「それは、誰だ?」



「秘密にします」



 オイ!

 そこ秘密にしなくてよくねーか?



「教えろよ! 脅迫状送ってきた奴がわかれば、ゼンも助けられてトリックスターズも救えるじゃねーか!

 商品をパクってるのも、全部がゼンに恨みをもつヤミ金業者の仕業なんだろ?」



「……ですが所長が『真部所長代理には絶対に教えるな』と」