「逆探知しながら地球二周くらいして、たどり着いた先はなんと目と鼻の先。永田町でした」
「永田町ってことは、政治家?」
「政治家とは限りません。永田町には様々な職種の人間がいますし、逆探知しても個人の識別番号は割り出せなかったので永田町周辺の通信回線を使いメールが送られたということしかわかりませんでした。トリックスターズの本社も厳密に言えば永田町の付近ですし」
「それを、ゼンには?」
「もちろん伝えました。ユカリさんにも」
ユカリさんはコクリと頷く。
「善太郎は、無表情で『そうか』とだけ言っていた。そしたら二通目の脅迫状がきたのよ。
また同じパソコンを使ってくれればいいのに、今度は手紙だった。
善太郎はすぐに手紙を科警研に持ち込んで、識別依頼をしたわよね?」
佐藤さんが続きを話す。
「ちょうど、真部所長代理が楽しく合コンしていた夜に」
「楽しくはしてねーよ!」
「話を遮らないでください」



