「そうですか……」
佐藤ちゃんは肩を落とした。鈴木くんと高橋くんも同じだ。
なんとなくわかるな。アイツはムカつくし、こき使われてばかりだけど、トリックスターズを去れと言われると、けっこうショックなんだよな。
「佐藤ちゃんは、どうやってゼンが捕まるかもしれないって情報を掴んだんだ? 俺、気になってて」
「そうでした。実は『ヤミ金業者』についてですが……以前、その組織から所長のパソコンに脅迫状メールが送られてきましたよね」
「“びっくりっぱな”の売り上げ金寄越せって書いてあったやつか?」
「はい、それを逆探知しました……これが骨が折れる作業で……」
鈴木くんと高橋くんが涙を拭う仕草をしながら互いの肩をたたきあう。



