「それで、その所長は?」 「ああ、捕まった」 佐藤ちゃんは目を見開いてユカリさんに助けを求めた。 「捕まったわよ」 ユカリさんも大きく頷く。 「私の手紙が届かなかったからでしょうか?」 「ううん、佐藤さんから手紙は届いたわ」 「でしたら、何故? 所長がそう易々と捕まるなんて…… 何か企みがあるんですか?」 「わからない。今度の事は私も善太郎の考えを聞いていないのよ」