言葉がみつからない……

 アイツ、ただ者じゃないと思ってたけど

 予想の遥か斜め上いきやがった。


「このメモリースティックに、ZENの資金が入った口座まで記してあるわ……」


「いざとなれば、その金使えってことか……

 ユカリさん、そのUSB絶対なくさないように持っていてください。俺の部屋に移動しましょう。佐藤ちゃんたちが待っているはずだ」


「ええ、わかった……どうするつもり?」


「李花を両親に紹介して、その計画書通りに会社を運営します。アイツのいうとおりにしましょう」


 ユカリさんは「ふふふ」と笑い声をあげてくれた。


「ゼンが淳一くんを所長代理にした意味がよくわかったわ」