アイツ……マジで何者? エスパーかよ、宇宙人かよ。なんでわかってたんだよ!


「でも、計画書が半年分あるから善太郎は半年も帰ってこれないってことなのかしら……」


 ユカリさんのマウスを操作する手が止まった。


「そんなのわからないですよ……! ユカリさん、アイツが戻ってきた時にトリックスターズの経営がかたむいてたら俺たちが笑われますよ。

 一緒に頑張りましょうよ。それにアイツ気紛れだから突然帰ってくるかもしれませんよ」


 ユカリさんは力なく笑った。


「ふふふ……そうよね。でもね、善太郎は以前にも、いなくなったことがあるのよ。

 フェンシングで注目されたのに、善太郎は大学卒業後の進路は何も決めてなかったわ。

 私たちはその時から、ずっと今みたいな関係で、ホテルで朝を迎えていつもみたいに善太郎に家に送ってもらったの、そしたら『ユカリ、またな。一年後』って言われた。軽く、いつもの『またな』て言うのと同じかんじで別れたのよ。

 そしたら本当にその日から善太郎はいなくなったことがあるの」


「いなくなった? ってか、ユカリさんとアイツそんな前からセフ……いや、知り合いだったんですね」


 ユカリさん可哀想に、あんな奴に青春時代から全てを?

 やべえ、俺泣けてきた。