「目をつぶらなかったら採用なのよ。井上くんなんか目を開けたまま失神してただけなのに採用だったわ」 どんな基準だ! 俺なら、即行で別の会社探すぜ。いや、そんな事言ってもだらだらと勤め続けてる俺も俺だけど…… でも世間は就職氷河期だから仕方ないんだよな? 「それより、淳一くん。このUSBの中身を確認してみましょう」 ユカリさんは別の部屋に移って、パソコンを立ち上げた。俺は後ろで、それを見守る。