はあ……、それもそうだ。アイツが何を考えてるか解らない。

 この先、どうすればいいんだろう。アイツはいつシャバの空気吸えるんだろう?

 会社の方は、ユカリさんがいて部長たちと協力すればどうにかするしかない。

 だけど、ヤミ金野郎から脅迫されてる三十億と爆破予告。それに先手打たれて、出し抜かれてるトミックカラーズの問題。


 こればかりは、ゼンという絶対的な舵を失った俺たちにはかなりのダメージだ。


「淳一くん……、ゼンが何を考えてるかわかるかも……」


「え? なんで?」


「だって、ほらコレ」


 ユカリさんはワンピースのポケットから封筒とUSBデータメモリースティックを出した。


「これ、私が入れたわけじゃない! ゼンがさっきキスしながら入れたのかも!」


 ユカリさんは興奮しながら封筒を握りしめた。


「それ、さっきゼンがラウンジで受け取ってた手紙ですよね?」