────部屋には俺とユカリさんだけが取り残された。


 どうしろって言うんだよ……


アイツ、ついに逮捕されちまった。トリックスターズは、どうするんだよ……本当にユカリさんだけに任せる気か?


「……ひっく、ひ……善太郎捕まっちゃったわ」


 ユカリさんが泣いている。その肩が弱々しく震えた。


 あまりにも痛々しくて見てられない。ゼンがいないとユカリさん、こんな風になっちまうんだ……


「なんで謝るのよ……謝ってから、愛してるって、そんなの酷すぎる!」


 ユカリさんは八つ当たりするように俺の背中を拳で力いっぱい叩く。気が済むまでそうさせてあげようと思った。


「善太郎が、愛してるなんて今まで一度もなかったのよ……どんな、ロマンティックな夜を過ごしても絶対言わなかったのに……」