ゼンは、盛大なため息をついて頬を押さえながらユラリと立ち上がった。
警官たちがビクッと身構えた。
ここで暴れるのか?
やっぱり強いんだな? うん、コイツ強そうだ。藍莉も護身術を習ってたみたいだし、金持ちの子は誘拐されないように強いのかもしれない。
や、やるなら俺も……
「善太郎様、お願いです。抵抗はなさらないでください!」
今のご時世、警察って意外と丁寧な言葉使いするんだな。
ゼンが鋭く睨みつけると、武装集団は盾を構えなおした。
いけ!
ゼン、こんな奴ら蹴散らしちまえ!
「総理からのご命令です。あなたを連行し、収容しろと……」



