バン! と乱暴にドアが開かれた。



「なっ? 警察? ゼン!」


 ゼンは落ちついた様子で、ダイニングテーブルに頬杖ついたままだ。ユカリさんはゼンの腕を揺すりながら「だから、未成年はやめて! って言ったでしょ! 同意したの?」と責め立てた。


 ドアからは武装した警察官がぞくぞくと俺たちを囲む。



「同意なしに俺がやるわけないだろ!」

「わからないわよ! 善太郎は優しいけど、実はそっち系に目覚めたのかもしれないし!」


「目覚めたなら、まずユカリで試す!」



 なんの言い争いだよ。悪いけど、俺突っ込む余裕ないからなっ!


 でも、なんで警察が? 俺、なんも悪いことしてないよな?



 まさか、前回の武尊之から二十億騙し取った事件がバレたとか?




「大人しく手をあげてください! 逃げられると思わないでくださいっ!」




 思わない。絶対、思わない。



 だって、俺達三人捕まえるのに警棒とか盾とかかまえた武装集団が参加してるんだよ。



 はっ! もしかして、ゼンがめちゃくちゃ強いとか?


 期待を込めてゼンを見ると、ユカリさんにパチンとビンタされたところだった。