────「な……なんだ? この部屋!」


 
 ドラマのセットみたいな部屋だ。

 デカい窓がある、リビングからは東京タワーとスカイツリーが見える。綺麗な夜景の邪魔をしないような間接照明。

 家具は全部新調したばかりみたいで、どれも造りがこっていて洒落ている。



「男が俺の部屋入ったの淳一がはじめて」



 ダイニングには、茹でたての上海蟹がドーンとのっている。

 蟹だけじゃない。サラダやよくわかんねー洒落た料理、三人分のフォークにナイフ。バケツに入って冷やされているワイン。



「おまえ、ひょっとして毎日こんな感じ?」


「どんな感じ?」


 ゼンが不思議そうに両手を広げた。