ホテルのエントランスに出ると、既にベンツが横付けスタンバイ完了している。
運転席には真理子さんが乗っていた。
「淳一くん? ゼンさんから車を持ってきてって頼まれたんだけど」
真理子さんは運転席から降りると、俺に鍵を渡してくれた。
「そうですか、ありがとうございます」
俺を引きずってきた警備員は俺の腕を掴んだままだ。
「ゼンさんどこ行っちゃたのかしら? これからうちの新商品の発表があるのよ」
「新商品の発表なら、もう終わりましたよ?」
「ええ? 嘘、大変! 私、会場に戻るわね。ゼンさんに会ったら連絡するわって伝えてもらっていいかしら」
俺は片手をあげて了承した。真理子さんは急いでホテルの中へ消えて行った。



