街におりると至るところに、 サタンがいた。 屋根の上に立つサタン、 塀の上に座るサタン、 電信柱に登るサタン、 マンホールのフタで遊ぶサタン… いろいろなサタンがいる。 満月の夜の街は、 サタンたちの遊び場だ。 「はぁ…」 そんな街の様子を見てあたしは、 思わずため息をついた。 サタンの中にいるのは、 お世辞にも気分がいいとは、 言えないから。