「あぁ。そうだマリナ。今夜は、一晩中…頼んでもいいか?何か…嫌な予感がするんだよ」
「嫌な予感?」
「あぁ。満月が近いせいだとは、思うんだが…」
「あぁ…そっか…。もうすぐ満月か」
満月の日は、血がそうさせるのか
普段どんなに穏やかな悪魔も、
もちろんサタンも、
騒ぎ出す。
魔法使いはそれを、
取り締まる。
…………あたしたち
魔法使いの間には、
満月の夜だけの暗黙の了解が
存在する。
『落書きや壁の破壊など、魔力で
元に戻せそうなことくらいは
大目に見てあげよう』
“血は、争えないのだから、
仕方がない”
そんな考えがある。