「マリナが笠原と仲良くてもあたしには、関係ないことだから。巻き込まないでね」
「でもカイは、ベラも魔法使いってこと、知ってるよ?」
「それでも、関係ないから」
「…………わかった」
家に帰ると珍しく、
もうお父さんが
帰って来ていた。
「おかえり、お父さん」
「ただいま、マリナ。ベラちゃんのところにでも行って来たのか?」
「うん…」
「? マリナ?」
「お父さん、今日は早いんだね」
あたしが話題を、
わざとらしく変えたことに
お父さんは気づいている。
てか、気づくよね。普通。
それでもお父さんは、
あたしにあわせてくれた。
これ以上は何も聞いて来ない。
お父さん、ありがとう…。

