夜、風呂上がりの二人はリビングでのんびりアイスティを傾けていた。

 デイトリアは本人の自覚はなくとも相変わらずの色気を漂わせている。

 つくづく女性でない事が残念でならない。

 そのとき突然、空気が重くなった。

 ただならぬ気配が部屋に充満し、それは徐々に勇介の目の前──デイトリアの背後──で形を成していく。

「ほう……? これが噂に聞くデイトリアスか」

 まるで心臓をえぐるような低く、くぐもった声が部屋に響いた。

「うっ!?」

 勇介は息を呑む。

 そこには、四人の魔物が立っていたのだ。

 それは人間ではないのだとハッキリと解るほどの異様な存在感を放ち、勇介たちを眺めていた。

「わざわざ私を見に来たのか。暇な奴らだ」

 デイトリアはグラスをテーブルに戻し、座ったまま視線だけを向けた。