「信用していない訳ではない。危険をなるべく避けたいだけだ。魔物だけが敵ではない事くらい解っているはずだろう」

 その言葉に久住はハッとして視線を泳がせた。

「どういうこと?」

「世の中には魔物の出現を快く思わない者たちばかりではない」

 それを聞いた勇介は愕然とした。

 そりゃあ、色んな考えがあるのは当たり前だけど、自分たちを脅かす存在を求めるなんて、そんなのおかしい。

 自分たちだけは殺されないとでも思っているのか、それとも自分の命すら捧げるほどの心酔ぶりなのか。

 そんな人間たちが勇介の事を知れば必ず攻撃を仕掛けてくる。

 そうなれば、デイは人を殺さなければならないのか──?

 そんな光景は見たくないと勇介は眉を寄せた。

 どちらにしろ、俺には理解出来ない。