「もしかして家事一切をやってるんじゃないだろうな!」

 気がついたらしてくれてるんだよね。

 ついつい心の中で男の言葉に反応してしまうが、勇介は「一緒に戦ってきた仲間」という言葉を聞き逃さなかった。

 どうやらこの男は魔物と戦って来た仲間らしい。

 しかし、その仲間が勇介の事を知らないのはどうしてだろう。

 デイトリアは仕方がないというように溜息を吐いた。

「仕方ない説明してやる。それとも先に朝飯を食べるかね」

 男はギロリとデイトリアを睨み付けた。

 デイトリアは「やれやれ」と肩をすくめて湯を沸かし始める。