しばらくして風呂からあがってきたデイトリアの姿は思った通り、上は羽織っているだけだった。

 その姿にエルミの言葉を再び思い出す。

「あのさ」

「なんだ」

「性別が無いって本当なの?」

「……エルミか」

「うん」

 余計な事をよくも言ったなと眉を寄せる。

「そうだ、私には性別は無い」

「でも、どう見ても男じゃないか」

「男性と同じ構造というだけで、厳密には性別としては成り立たっていない」

 外見が同じでも生物学に見れば異なるのだそうな。