「俺は何もできないのか?」

「どうしたの? ユウ」

 ぼそりとつぶやいた勇介にエルミは首をかしげた。

「俺は、ただ二人に護られてるだけでいいのかな。俺にも出来ることはないのか。気休めでもいいから、自分を少しでも護る方法が欲しい」

「ユウ、でもあなたには……」

「ならばこれはどうかね」

 差し出された右手を見つめていると、手のひらから小さな光が発せられ、その光が消えると同時にペンダントが現われた。

 表には三つ首の獣が彫り込まれ、裏には天秤があしらわれている金のメダルだった。