「ふむ」

 デイトリアは勇介の言葉に小さく唸りノートパソコンを閉じる。

 ひと仕事終わったのだろうか、勇介はそれを見て二杯目のコーヒーを入れにキッチンに向かう。

 リビングテーブルにコーヒーとクッキーが置かれ、落ち着いた雰囲気のなかデイトリアは口を開いた。

「奴らにとって魔王とは、強大な力を持つ者だけを意味するのではない。奴らの中心にいるという事は、魔物を支える役割を果たすという事だ。奴らは負の存在であるが故、太陽の力、陽の力には弱い。彼らの力は魔王に依存する。魔王に陽の力の抵抗力があった場合、彼らには陽の力に対する護りが生まれる事になる。それがどういう意味か解るだろう」

 この世界は陽の力に包まれている。

 魔物が棲む夜が訪れても再び太陽は世界を照らす。