「ちょっと新しい護り手を見たかったのさ。なるほどね、確かに美しい。皆が騒ぐ訳だ」

 見定めるような視線がデイトリアを見下ろした。

 深淵に沈む緑の瞳には殺意が見て取れる。

 二人の間には激しい精神のやり取りがあるのかもしれないが、勇介がそれ知る術(すべ)はない。

「噂になっているのか」

「もう大人気」

 薄笑いで肩をすくめる。

 よくもまあこの二人は白々しい言葉を交わせるもんだと勇介は怯えながらも呆れていた。

「四魔将がおまえさんを捕まえて囲いたいって言うくらいさぁ、人間にしては美人びじん」

「えっ!?」

 囲いたいという言葉にも驚いた勇介だが、魔物たちがデイトリアは人間だと思っている事にも驚いた。

「四魔将も俗物だな」

 白々しさがあからさまな二人の会話に勇介は開いた口がふさがらなかった。

 どっちもどっちだよ、ほんと……。