「なあ」

「ん?」

「さっき四魔将とかいってたけど──」

「普通はそちらを先に聞くものだ」

 今更な質問に眉を寄せる。

「う、ごめん」

 だって性別の方が気になったんだから仕方ないじゃないかと苦笑いを返した。

「四魔将とは魔王に仕える四人の魔族の将軍の事だ」

 デイトリアはそんな勇介を一瞥し、仕事をこなしながら答える。

「ひねりの無い呼び名だ」

「あはは」

 そんな所にひねりとかいるのかな。

 しれっと発したデイトリアに苦笑いを浮かべる。

 彼は時々、無表情にそんな事を言い放つ。

 勇介はどうにもデイは性格が掴めないなと頭をかく事がしばしばだ。