「ね? キレイな人でしょ?」

 エルミは苦笑いを浮かべている勇介に悪戯な笑顔で発した。

「そうだね、彼が女性だったら良かったんだけどね」

 勇介も悪戯っぽく返す。

「あら、デイには性別は無いのよ」

「えっ」

 なにそれ!?

「性別が無い? でも、だって──え?」

 勇介は頭が混乱した。

 デイトリアは平気で勇介の前で着替えをするし、それを見る限りでは男以外の何者でもない。

 当然だが素っ裸をまじまじと見た訳ではないので確証は無い。

 勇介はエルミを見つめたまま混乱した脳内でぐるぐると考えていた。

「見かけは男性だけど、実際は性別は無いのよ。もちろん女性の姿にだってなれるわ。それに──」

 まるで恋人にささやくように彼女は意味深にこう続ける。

 彼は昔、人間の女性だったのよ。と──