夜が来るという感覚じゃない、まるで光が何かに食べられたように自分だけがぽっかりと浮かび上がっていた。

「なんだこれ?」

 不安になって見回すと、デイトリアが視界に入り安堵する。

 しかし、いつもの落ち着いた表情とは違い、いつになく険しい。

 何かに警戒しているのかやや前かがみになり、何かに構えている。

 空間だけが真っ黒に塗りつぶされ右も左も解らない。

 そんな中ふと、何かの気配に目をこらす──

「うわっ!?」