あれから一週間、魔物たちは何の接触もして来ない。

 それが返ってこんなにも苛立ちを呼ぶとは実際、思ってもみなかった。

 デイトリアは落ち着いているが、勇介は本当に大丈夫なんだろうかとハラハラしていた。

 とはいえ、働かなくては生活がおぼつかない。

 ──仕事帰り、すでに黄昏時の空は鮮やかにビルの壁にオレンジの光を照らす。

 勇介は「これくらいなら大丈夫だろう」とたかをくくっていた。

 会社を出ると見知った影が勇介を迎える。

「デイ!? 目が青い!?」

 青い目のデイトリアが小さく笑みを浮かべる。