「奴らの誘惑に少しでも揺らげば闇に引きずられる。様々な悩みは奴らに付け入る隙を与えてしまう。すぐに取り除けというのは難しいかもしれんが、そうするしかない。私は──」

「じゃあ、どうすればいいって言うんだ」

 デイの意見はもっともだと思う。

 気遣って言ってくれているのもわかる。

 だけど──

「どうやってあきらめろって言うんだ? 俺にとっては遠い存在かもしれない。けど」

 勇介はまた思考がぐるぐるとして、真正面からデイトリアに甘えた形になった。