リビングに戻ると、まるで慣れ親しんだ場所のように男はカップを傾けてのんびりくつろいでいる。

 それにはさすがに勇介も呆れたが、度胸が据わっているのには感心した。

 勇介は呆れて溜息を吐き、飲み終わったカップを流しに置く。

 そして、帰り際のエルミの言葉を思い起こした。

 エルミはこの男に信頼を寄せている。

 そんなに強いのだろうか?

 それとも、それだけではないのだろうか。

「あっ」

 まさか──この男がエルミの想い人!?