「デイ、それは本気か?」

 表情を変えず応えない瞳に片目を眇める。

 こちらが力を強めればデイトリアも同じだけの力を増してくる、まだ余裕がありそうな態度に勇介はやや苛ついた。

 難なく攻撃を受け止め、交わすデイトリアを見下ろす。

「人間は愚かだな。なのに大きな力を持っている。その力は神にさえ近づこうとしている。そんな力があるのに、どうして殺し合う。人間は悪しき存在なのか。君には、その答えが解っているんだろう?」

 その問いかけにデイトリアは一旦、剣を下げて距離を置く。

「おまえはその答えが知りたいのか」

「できれば」

「私に言える事は何もない。私が決める事でも、これから決まるものでもない。生きていく中で自然に成り立つ事柄だ。続いていく生命の輪の中で、答えは永遠に出る事はないだろう。その時々で存在意義が変わる」

 答えは、滅びたのちの流れでしか計り得ない。