安定した集中力が要(かなめ)である。

 キャステルは疲れたように深い溜息を吐き天井を仰ぐ。

 望みのないものにすがりついている訳にはいかない、人間界は確実に危機に直面しているのだ。

 思考を切り替え静かに立ち上がる。

「私に何が出来るのか」

 愁いを帯びた瞳は宙を見つめた。

 多くの犠牲が伴うだろう。

 だが、最後まで諦める訳にはいかない。

 その決意を胸に、彼は部屋をあとにした。