SCHUTZENGEL ~守護天使~

「キャステル」

 顔をしかめる組織の代表にどう返せばいいのか解らない。

 久住にはお呼びもしない経験をキャステルはしてきたのだろう。

 それだけの存在感をまとっている。

「その答えを、もしかするとデイトリアスは知っているのかもしれないな」

「さあ、どうだろう。俺にはわからない」

「彼は全てを背負って我々の前から姿を消した。彼の行動を誰も非難はできない。私はね、我々の歴史に記されている百年前の人物は彼だと思っていたのだよ」

「デイが!?」

 百年前、突如現れた人物が魔王を倒し風のように去っていった。

 その人物に関する情報はほとんど伝えられていない。

 突然の事だったために、その姿をしっかり捉えた者はいないそうだ。