兵士の数は優に五十人。かたやキャステルたちは十人余り。

 それで敵わないと言われれば面食らうのは当然だろう。

 しかしながら、兵士たちは何故かそれを馬鹿にはできなかった。

 今までにない存在感の大きさが真実なのだと知らしめている。

 それは同時に彼への敬意の念をも生み出し、キャステルに向けられていた銃口が一つ、また一つと下げられていく。

「もう一度言う、国の代表に会わせなさい」

 言い聞かせるように低く発した言葉に男は喉を詰まらせた。