「赤い目? おまえ、人間じゃ……?」

 初めて見た赤い瞳にキャステルたちは息を呑んだ。

 その色は冷たい血のようでいて、奥底に輝きを宿す宝石のようでもあり、美しいとさえ感じた。

「キャステル」

 早く答えろとでも言う風に名を呼び、じっと見つめる。

 それは、何故だか心を揺さぶられる。

 全てを見抜いているのだと言われているようで居心地が悪い。

「ここから西に二百キロメートル先の丘で待っていると言っていました」

 さすがのキャステルもその瞳からは逃げられず、仕方なく答えてしまった。

 デイトリアは確認すると何も言わずにその場からかき消えた。