小さく溜息を吐いて立ち上がると、公園のさらに奥に歩みを進める。

 一見すれば何かの重機か爆発物でも使用したのかと思われる残骸だが、よくよく見ればそのどれも違っている事が窺えた。

 刃物で綺麗に切断したようなコンクリートや金属が混じっているのはかなりの違和感を覚える。

 しばらく歩くと背後に気配を感じて振り返る。

 すると、何もない空間からどさりと何かが落ちた。

「エルミか」

 確認してすぐ、彼女の息が荒く体のあちこちに無数の傷がある事に気付き足早に駆け寄った。

 しかし、エルミは気に懸ける言葉をかけようとしたデイトリアの腕を強く掴み苦い表情を浮かべる。