──デイトリアは暖かい日差しを浴び、大陽の強い光に目を眇めた。

 いくら魔物や魔王の力が強くとも、大陽自体をどうにか出来るほどではない。

 故に、魔物たちは人間から魔王を選出する事がどれたげ重要なのかをよく知っている。

 最大の弱点を克服するか、地球の大気を変化させる他に方法はなく、太陽を無くす事はこの星の存続を危ぶむものとなる。

 しかし、眠くなるような陽気を打ち消す景色にデイトリアはやや眉を寄せた。

 壊れた噴水と遊具を前にしたベンチに腰を落とす。

 視界に広がる公園は、人間が造ったものは全て憎いとでも言うように破壊しつくされている。

 かろうじて残っているものと言えば、霊術士たちが貼った結界によって守られている建物くらいだ。

 もちろん、その数は知れている。