何か言葉をかけてくれるのかと思っていた久住はなんとも素っ気ない態度に唖然とし、詰まらせていた息を吐き出す。

「なんだよそれ……。もうちょっと別の言い方ないのかよ」

 でも、いつものデイだ何も変わってない。

 俺の見方が変わった事で一番辛くなるのはデイだ。

 なのに、こんな事で見方を変えてしまった自分が恥ずかしい。

「いま俺がしなきゃならないことは解ってるん。こんなことで止まっていちゃいけないことも」

 しかし一度、心に芽生えた感情は簡単には取り去る事はできない。

「人類を守るなんて、あんまりにも大きい使命だから、ちょっと寄り道しただけさ──」

 組んだ両手に力を込め、自分に言い聞かせるように息を深く吐き出した。