「怒ってるね。私の顔色を伺うように人の顔をチラチラと。そのくせ喋る時は私の目を見ない」

「で、でも」

 その知識と強さをずっと尊敬し、好意を抱き、そして今は少しの恐怖が生まれている。

 デイトリアはそれを感じたのだろうかと視線をそらした。

「私と接する事が怖いか」

 久住は下を向いて小さく頷いた。

「凄く怖い訳じゃない」

 詰まる喉から絞り出すものの、その先が言葉にならない。

「何をすれば拭えるのか解らないのだな」

 さらに頷いた事を確認すると、デイトリアは再び片付けを再開した。

「自分で解決しろ」

 片付けを済ませ、スタスタと自分の部屋にこもってしまった。