「何故そこまで奴にこだわるのです。予想を遙かに上回る数の魔物たちが倒されている。これ以上戦力を損なえばますます人間界を手に入れることが難しくなる」

「なんだと?」

 意見したギルを睨み付け低く発した。

「わたしが何のために魔王となったのか知っていて今更か。人間界の侵攻はわたしのおかげでリスクを負うことなく行えている。それでも手こずるのはおまえたちの力が足りないせいだろう」

 そこまで言われては黙り込むしかない。

 大陽の光はもはや彼らの弱点ではなくなり、魔王という強い柱によってその力は増していた。